今日の Seshat の作業では、16世紀の印刷本を比較するうえで、とても重要な確認が進んだ。
最初の大きな成果は、ノストラダムス予言集のUtrecht標本、Budapest標本、そして同じ版元で出版されたGalen 本の三つについて、本文活字の関係がかなり整理できたことである。これまで問題になっていた Utrecht 標本の a は、文字そのものが悪かったのではなく、別のノイズクラスタを a として割り当てていたことが原因だった。正しいクラスタに直すと、Budapest標本との距離は自然な値になり、同じ活字源に属する可能性を強く示した。
さらに、Galen 標本についても、なぜ Raw=0 になっていたのかを調べた。結果として、letter_map.json には Ge_roman の定義があるものの、肝心の字形データファイルが本線に登録されていないことが原因だと分かった。つまり、Galen 標本が比較不能だったのは、活字が違うからではなく、比較に必要な材料がまだ本線に入っていなかったためである。
一方で、今日の作業で最も大きな教訓も得られた。クラスタ番号だけを信じてはいけない、ということである。番号上は a に割り当てられていても、中身を見るとノイズや別の文字だった、という事例が何度も確認された。距離の数値だけを見てクラスタを選ぶと、結論に合わせて材料を選んでしまう危険がある。
そのため、次の開発方針として、測定前にクラスタの中身を必ず目で確認できる機能を GUI に追加することにした。版ごと、文字ごとに、割り当てられたクラスタの代表字形と外れ値を表示し、ノイズや別字形の混入を確認できるようにする。これは派手な新機能ではないが、今後の判定の信頼性を大きく左右する安全装置になる。

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